近々、インドに出かけるので、
27才の久人青年の、古い旅日誌のインドのあたりをパラパラめくっていると、
アフガニスタンからカイバル峠を越えて、
1974年11月1日、インドに入っている。
51ヶ国目の訪問国である。

デリーでフィルムを探すが、ロールフィルムは無いし、トライX、イルフォードは入手出来そうもなく、
写真店で、ORWOという東独製の生フィルムを250フィート入手し、薬品も買う。
11月7日、そのスタジオ・インディアの暗室を借りて、
11時から6時頃までぶっ通しで51本の現像をしているのである。

11月 11日には、すでに腹の不調があり、歩くのが苦しいほどに足も痛めていたようであるが、
16日に、アグラに向かっている。
アグラ城でコブラ使いの青年がやって来て熱演を始めたらしい。
そのコブラを、自分の方に巻きつけてから、久人の首に巻きつけて、写真を撮る。
そういえば、あった、あった、そんな写真。

つぎに、一緒にいた英国人の首に付けて写真を撮ったそうだが、
その後すぐに、コブラが、コブラ使いの手を咬んだから、さあ大変‼️
抜いてあると思っていた毒牙が付いていたのヨ〜 💀
いゃ〜、怖いですネェ〜‼️
そのコブラ使いの青年、さすが、プロフェッショナル❓
慌てず治療を始め、20分ほどして体力を回復してから、
再度,挑戦し、また、どこかへ歩き去ったそうである。

首咬まれたらどうするのよぅ〜⁉️
怖いですネェ〜、インドですネェ〜。

同じ日には、後ろから、自転車に乗って来た2人の少年に頭を殴られ、
逃げて行ったその少年達が、また後ろ回って付けてきたらしく
すれ違いざま、再び頭を殴ると同時に、大事なドイツ製の眼鏡を盗って逃げたそうである。

それ以前にも、子供達にシンナーの付いた布をかぶせられたりして、
散散な目に遭遇している、何でもアリなインドなのですネェ〜!

長い旅の疲れも蓄積していたのであろう。
体調不良をおして、ベナレスに向かい、ガンガの畔で写真を撮り続け、
自身も生死の岸辺を歩きながらカトマンズまで行き着き、
日赤のドクターに助けられ、ドクターストップ。
12月4日、インド人に付き添われて、羽田に帰国する。
ガリガリに痩せて、幽霊のように顔色はなく、
ランニングシャツにゴムぞうりばきだったそうである。

B型肝炎なのだった。