中央高速を下ってゆくと、相模湖を過ぎた辺りから道路沿いに白い百合の花が目立ってきた。
テッポウユリのように見えるが、こんな、お盆の時期に咲くのかなぁ~?
と、気になって調べてみたら、外来種のタカサゴユリという品種らしい。
オオキンケイギクといい、タカサゴユリといい、
外来種の繁殖力は凄まじく、高速道路は格好の伝搬経路となっているのだろう。

神奈川県の県花はヤマユリで、
私の子供の頃は山のアチコチで普通に見かけられたものだが、
乱獲にあったらしく、いまでは珍しい希少種になってしまったらしい。
ヤマユリは大輪で、花弁の内側に黄色に鮮やかな朱色の斑点があり、
赤々とした雄しべと濃密な甘い香りと相まって、
むせかえるような夏のイメージとなって思い返される。

私の父は一時、射撃場をやっていたことがあって、
おそらくは戸塚の辺りであったろう。
趣味のハンター仲間うちの山持ちの友人たちと、
やろうやろうと盛り上がって始めたのだろうが、
詰めの甘かった(笑)父ゆえ、ほどなくやめてしまうことになってしまった。
それでも、映画の撮影所が近かったせいもあって、
この横浜射撃場では、映画の撮影が行われたこともあり、
往年の銀幕スターや、若き日の吉永小百合と共に写った父の記念写真が残っていたりで、
そのまま顧客になった銀幕スターも何人かいた。
山を切り拓いた射撃場には、ヤマユリが群生していたので、
夏ともなれば、鬱蒼とした緑の全山がヤマユリのむせかえるような濃密な香に包まれていた。
ヤマユリの蠱惑的な香とクレー射撃音、これまた甘い香りの真っ黒な山蟻が、
子供心に鮮烈に刻まれた私の夏のイメージである。
ここで蛍狩りをしていて、用水路にはまったこともあったなぁ~(笑)
ヤマユリからは、様々な園芸品種が創出され、
その代表が私も大好きなカサブランカです。

思えば、昔のハンターのオジサン達は皆、オシャレだった!
小っちゃかった頃、猟友会の初猟にも連れて行ってもらったが、
オジサン達は、誤射を避ける意味もあって、
赤や黄色、ターコイズブルーやらの、思い思いカラフルなチェックのフランネルのシャツに、
皮のベストなどを着込み、ハンチング帽やトップが円のキャップを被っていた。
山間に入ると、バスの中の猟犬(鳥猟だから、ポインターやセッター)が、
キョロキョロと車外を見回して興奮し始め、大騒ぎとなり、
バスのドアが開くやいなや、鳴き交わしながら一斉に林道を走っていった。
山の緑や紅葉に、生き生きとした白に黒や茶やレモンの斑点の猟犬のコントラストが
美しかった!!!
昔の大人のオジサン達はカッコ良かったなぁ~!