お盆という時期なので、イロイロ思い出されるのだが、
父は“鳥撃ちの名手”と言われていて、
キジを5羽くらい腰にぶら下げた後ろ姿が記憶に残っているので、
“鳥撃ちの名人”というのは、おそらく本当だったのだろう。
考えてみるに、飛んでいる鳥を撃つわけだから、
鳥の飛ぶ方向と速度とを予測しつつ、
銃弾の到達速度も考え、照準を合わせて発射しないと当たらない訳だから、
なかなかの腕前といえるのではないか。
また、その当時は鳥の数も今より多く、楽しかったのだろう。
当事は、趣味で狩猟をするハンターも多かった。
鳥の数が減少すると、毎年放鳥する活動も続けていた。
鳥の呼び笛がとても上手で、
コジュケイの鳴き声が、そっくりだったのが懐かしい。

猟仲間と兎、イノシシ、鹿を持ち帰った事もあるが、
イノシシ猟は待ちの猟なので、面白くなかったのだろう。
鹿を仕留めて、家で解体していたのを憶えているが、
弾に当たって苦しみ暴れる鹿猟の後味がよほど悪かったらしく、
その後、誘われても鹿猟に行くことは無かった。
猟そのものよりも、山歩きが好きだったのではないだろうか。
この時の鹿肉の刺身を食べた人が、
「あの味が忘れられない」などと後年言っていたが、
私は偏食で食わず嫌いが激しかったので、それらを口にした事は無い。

鳥撃ち専門で、よくとって来たし、
当時としては貴重な蛋白源でもあり、
それ以外のおかずが無かったりしたので、
渋々口にする事もあった。
だけど、
ちょっと前まで美しく羽ばたいていた鳥が目を瞑って、ぶる下がっているのが、
いかにも理不尽な気がしたし、
羽を毟られた、キジや、コジュケイや、キジバトは哀しい程に痩せていた。
ウズラなんかは、丸っこい体躯からは想像できないほど食べる所が無かった。
それに、鳥撃ちは散弾銃だから、
気をつけて取り除いていても、
稀に散弾が肉に残って歯に当たる事もあった。
昔の事だから、調理法も甘辛タレの照り焼きくらいのレパートリーで、
渋々食べた野鳥の中では、コジュケイが比較的食べ易かったように思う。
青首の鴨は美味しかったと思うが、鴨は水鳥で、
猟は遠出しなければばならないので、その機会は少なかった。
偏食を克服した今にして思えば、
これらのジビエを食べておかなかったのは惜しいような気もする。

猟犬も鳥猟犬で、ポインターとセッター。
メリー、テリー、パール、サミー、メリー2、ボニー、ルー、ラッキーetc.
どの犬も人懐こくて可愛かったなぁ〜!!!