『PEOPLE』のプリント整理のために稲垣さんが来てくれて、
2人で、とりあえず、本のページ通りに1セットまとめることにした。
地域ごとや、掲載誌からの返却、写真集の原稿、80年前後のプリントと、
80年代後半にベセラーの伸ばし機を買った頃に新たにアーカバイル処理したプリント群。
あちこちの袋に入っているものを全部出して、
本と照らし合わせながらの作業。

写真集『人々』は1983年の出版で、
アートディレクターの田中正行さんが、倉庫の床にズラッ~と並べてセレクトしたそうで、
明るいものにしようと心がけたとのことである。

今年の7月の写真展では、この本をベースにしながら、
本には入っていない、私のセレクトしたものを加えて展示したので、若干異なる展示となった。

2セット作る予定だったが、思いの外に時間がかかり、1セットで1日が終了。
後は、私が後日、落ち着いて、まとめることにした。

ハセミの8×10ウッドビューの初代ボロボロ蛇腹に稲垣さんが目を止めた。


テープを重ねて修理しながら使いまくっていたが、ついにダメになって、
長岡か、タチハラかに頼んで、新しく蛇腹を作ってもらっていた。
ハセミがなくなってからは、長岡で、ずいぶん修理でお世話になったなぁ~。
強風で三脚ごと倒れ、ガラスが割れ、撮影旅行を中断して帰り、
修理をお願いした事もあった。
ディアドルフもあるが、頑丈で重いので、主にポートレートなどに使用し、
フィールドでは、もっぱらハセミを愛用していた。
華奢で軽いハセミでも、25㎏くらいの機材を背負い、
中判カメラ2台に三脚というのが標準装備で、“修行”と称していた。
私が同行する折には、三脚と中判カメラの交換レンズやらを有無を言わさず、持たされていた。
8×10のポジ、ネガ、及びプリント群も多量である。
ハァ~~~!

ハセミは桜材を使っていると思われるが、繊細で、日本人の技術マインドが感じられる名機だと思う。
4×5ウッドビューなど、ほとんど工芸品!
可愛くて、可愛くて~、ハンドバッグみたいなのだ。
ハセミは、だいぶ昔に無くなってしまった会社だが、本当に惜しい技術である。

いろいろと身辺整理を進め、軽量化を図らねばならないので、
大きなものから順次整理を始め、車の次に、
オーディオ機材についてマランツ・フアンという会社に問い合わせると、
丁寧に応対してくれたが、発送する段になってオーディオに明るい友人に相談すると、
不具合を修理してそのまま使う方が良いというので、
マランツ・フアンさんには迷惑をかける結果になってしまった。
新しいものが必ずしも良いと言えないのは、カメラと同じらしい。