夢の工房 (1986)
風に吹かれて冒険旅行、時代遅れの冒険旅行
宝田久人の地球見聞録1971~’73
ヤルッキャナイ!!
1971年 横浜 ~ USA ~ 香港 ~ 北アメリカ大陸 ~ 南アメリカ ~ ヨーロッパ ~ 北アフリカ ~ ヨーロッパ ~(オリエント急行)~ イスタンブール ~アテネ ~ イスラエル ~ イスタンブール ~(シルクロード)~ インド(急性肝炎にてドクターストップ)~ 帰国 1973年
①見る ②聞く ③嗅ぐ ④触る ⑤食べる
旅こそ、お感動の嵐!! お感動の宝庫なのだ!!
『北アメリカ』
ブラッ!っと5カ月 4万㎞ラリー (注)英語は、まるでダメ
①L.A.は広すぎる!オペルを買い、L.A.⇔カナダのバンクーバー、約3000㎞が旅の手始め・・・ ウォーミングアップ
②スタックトンという町。クルミの街路樹。クリスマス。メルヘン的な話。言葉を忘れた旅行者には少女が良い話相手。
③サンフランシスコ。ヨネヤマ・ママコ女史(パントマイム・パフォーマー)のアパートに居候。喜劇。(サンフランシスコ心中の発見者に!)
④35州、駐車違反チケット採取道中。
- デスバレーの岩宿で部屋が満杯だと教えてくれたのが・・・アンソニー・クイン?
- 海抜、地球上最低のデスバレーにて車中野宿は、もう、フリーザーの中!
- ニューヨークの幻影。平坦な風景に慣れすぎて摩天楼がグニャ~!
- ウエスタン・ミュージックの謎を解明。
- アメリカじゃなきゃ出来ない、1日千マイルラン。
- ニューオリンズの牡蠣バーは最高!
- アメリカと戦争で勝てっこないのは、高速道路を見れば一目瞭然。(橋などの基礎土木工事)
- アメリカ人は好き!アメリカは、ズルイ。
- グロボスウエストのヒデさん。(サンフランシスコ)
- モニュメントバレー! 砂漠が燃えちゃった。
- ポンコツ道中、南へ下る。
- テキサスで、麻薬の運び屋と間違われる。
- ボンネットで卵焼き?ほど暑い(ニューメヒコ)
- ジャニス・ジョプリンが生まれた町、ポートアーサー。
- 車知らずが故障直しちゃった!
- グランドキャニオンは地球の割れ目。・・・などなど
『メキシコ・中南米 』
島国しか知らない人間が、川一本の国境で国家を考えさせられた。
①グアナホアト(地下道路の上に町がある。)
②メヒコの友人、荻野夫妻。
- グアダルッペ寺院で、カソリックの何たるか?(宗教)を感じた。
③タスコ、カソリックの不気味な夜祭り。
④ユカタン半島でのタイムマシン考。
⑤タイヤはバーストするまで走っちゃえ!(グアテマラでのバラバラ再生タイヤ事件)
⑥たった2時間で国境越え。(エクアドル)
⑦日本との比較論が行き詰まり、自分の頭を白紙にすることで、新しい旅が始まった。
⑧パン・アメリカン・ハイウェーはパナマで無くなり、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸は運河でチョン切られちゃったのだ!
- 中南米で感じたこと。独立国家であることの悲劇。
⑨ハリケーンを肴にカフェを飲むのは最高に楽しい!
『南米』
①世界で いっちゃん ヤバイ町 、(南米のカサブランカ)ヴェアナ・ベントウラ。町に着いて15分で時計をブッ!ちぎられた!
- 6組の冒険野郎達の旅自慢。おいら達の旅がクレイジーだと呆れられる。
- カメラのシャッターロックの説明をしていたら、腰のポケットから自動拳銃が・・・
- 時を経て思い返すと、ムチャクチャ面白かったなぁ~!もう、最高!
②日本人は知らない!海外で日本のお祭りNo.!は天誕(天皇誕生日)だという事実。大使館のパーティーでゴチになる。
- デフレンシャルギアが落ちるまで知ってて走る!
③アンデス山中で、バスと正面衝突! 前歯3本、胸を強打の負傷。
- アタシは当分死なないという自信を持つ。
④捨てる神あれば、拾う神あり。「ケ・ボニート!」事故現場に、事故車を欲しい人が現れる、しかも、3組も!
⑤アッ!!スクリュージョイントが落ちちゃった。
⑥相棒との別れ。(どんなに仲の良い友でも別れる必要性を考える)
⑦成り行きで、アマゾンの開拓に入る。一人で2㎞×8㎞を開拓する上原氏。フロンティア・スピリッツ。
⑧アンデス越え。
- ワンカイオ付近でインディオの少年に食べ物の有り難さを教えられる。
- アマゾン上流部落の娼婦の話。
⑨マチュピチュ。
- エル・コンドル・パサ (コンドルが飛ぶ)
- クスコ。祭のパレードを追いかけると、僕のカメラを狙ってる!
⑩冷凍列車!もう、寒くて、寒くて、死ぬか?と思った。
⑪二子山親方の印象。強者の優しさを知る。
⑫旅人のオアシス、アジェンデ時のチリ。
⑬チリでのお金。インフレの凄さ。1ドルが4倍に使えた。
⑭世界最大の瀧、カタラタス・デ・イグアス。
- 国境での話。(寝た)
⑮タンゴの町、ラ・ボッカは、もう、ナケちゃった! ポップスがガンガン、日本人と見るとタンゴをかけてくれる。
⑯ブエノスの二丁拳銃、使えないから、オモチャで。
⑰サンパウロの船友達。同じ顔をしてて、彼等はブラジル人。 日本人とは・・・を考えさせられる。
⑱20世紀の遺跡、ブラジリアを考える。
⑲リオ・・・「黒いオルフェ」のファベーラに入る。殺されたら死体は出ない所?紀山氏。 サンバ、サンバ、ブラジルのウソ!
⑳ヒボタンバクト(緋牡丹博徒)を見るためだけに400㎞戻る。
㉑アマゾンの河口は川じゃない。海だぜ!!
㉒マナオス。ガイアナ、黄熱病で、オイテケボリ。
- トリニダードトバゴ。
- ハイチでキックアウト。
『再びN.Y.そして、ヨーロッパ』
①ミスマッチな所だね、N.Y.は。ボクにとっての鬼門。
②N.Y.在住、牛チャンのアーミーコートが中華料理に変わっちゃった。
③二番目の姉の突然の死を知り、唯、N.Y.の夕暮れを、ひたすら歩く。
④ナショナルギャラリーで拾った娘。
⑤ボクの心が芯まで冷えた街、ニューヨーク。
⑥エア・ポートのトイレで夢想煙草を一吹き。
⑦冷凍島、アイスランドに降り立つ。カメラに素手で触れると、フリーザーに触る感覚!
『ヨーロッパ』
①ルクセンブルグ、フランス語はサッパリ解らな~い!
②野良イヌのような旅人には、パリも、過ごしやすい所ではないようだ。物価は高いし、宿も高い、なにか、いやらしさを感じてしまう街。
③冬のイギリス・・・ただただ寒い!列車のストライキを見て、日本の10年後を感じた。
④スコットランドで、首が回らなくなる。薄物の重ね着では乗り切れない寒さ。
⑤中央駅に屋根がない町、ベルファスト。
⑥一杯のビールを飲むための見学はツライ!(ギネス本社工場にて。)
⑦ビートルズの町、リバプール&マンチェスター。
⑧ロンドン塔の牢獄が金庫とは、いかにも合理的。世界中からブン盗ってきた、金、宝石を見る。(スターオブアフリカなどなど)
⑨北風に吹かれて、南に向かう。
⑩ピレネー山脈の青い青い空に、映画ヘミングウェイを思う。
⑪スペイン
- マドリッドのユースホステルで正月を祝う。
- ロンドン風邪で初めて寝込む。
- スペイン大ぁ~い好き!
- フラメンコ、友達、強い陽射し。
- グラナダ、西側で最高の建築、アルハンブラ。
- あまりに居心地が良いので、ジブラルタル海峡を渡る。
『北アフリカ』
①モロッコ
- アトラス山脈で雪に遭うなんてウソみたい!
- 砂漠のバスは夜走る。
- マラケシ。50円の貸し借りがもとで、3人相手に体を張ることに・・・
- 一人旅の日本人は背中に日の丸をしょっているノダ!
- 正司クンのこと。
- モハメッド・アリ(大トカゲの子供)
『再びヨーロッパ』
①シシリー島のエナ。ハムレット風城塞。
②カタニア駅前。旅のベテラン、古典的なサギに遭う。舞台設定はサイコー!イタ公はショーがネェ!(嵐になり、停電のオマケつき!)
③ポンペイの遺跡で会った宮城青年の話。
④恐いものが無くなった時期。
- 自分の命は、自分で守る。自分の金も、又、然り・・・
- 自分と金しか信じられなくなり、心がすさんだ時にこそ、人々の優しい眼差し、笑みが心にしみた・・・・・
⑤イタリアは損をしている。
- 少数のイタ公のためにイメージダウン。本来、イタリア人は陽気で気が良いのです。
- ローマ駅でタクシー運転手とファイト。
⑥フィレンツェ。ボッテチェリの名作、「ヴィーナスの誕生」、「春」の前に立つ美女。
⑦バチカンを見れば、ヨーロッパ文明、略奪の歴史が解っちゃうのだ。
⑧スイス。心身共に疲れ果て、不良外人志願。
- 針金師。(O君と久人)
- 捕まって護送車の中でも、シッカリ、稼いだ金は隠しちゃうノダ。そして、「又ね!」と帰っちゃう可笑しさ。See you agein!
- 白衣の娼婦、I子は天使なのよネ・・・
- 日の丸を胸に世界を走る、チャリンコ野郎、上田君。
- 人呼んで、ヨーロッパの笛吹童子、久人ちゃんなのだ!ハメルーンの笛吹きみたいに、子供達が集まった。
⑨初めてのヒッチハイク。ワーゲンに乗せてくれたのは女性。ぬ~わ~んと、一気にバーゼルからハンブルグまで走っちゃうんだから、白人の女は逞しい!約1000㎞を一気なんだから・・・(ハンブルグで偶然会うと、翌日疲れたと言う。)
⑩日本人より義理人情厚い、エリック。
⑪イヤーな、日本人駐在員。
⑫ケルン大聖堂にて。教会の見事な演出に、ドギモを抜かれた。
⑬親切で、優しくって、寂しい老人との出会い。
⑭ストックホルム。有名なカイボーグリルに集まる外国人。
⑮ハンブルグのエロスセンター。ユースホステルについて。(K氏と)
⑯ベルリンで考えたこと。
⑰人種論。国別で感じた私感。
- アメリカ人
- イギリス人
- ドイツ人
- フランス人
- イタリア人
- スペイン人
⑱ロマンティック・シュトラーセ
- ハイデルベルグ
- ローテンブルグ
- バルグ
- そして、ザルツブルグで人種はガラッ!と変わった。
⑲ソ連もヤッパリ帝国主義じゃないか。
⑳バカンス(夏休み)は、旅人の敵なのダ! (ウィーン)
㉑ボクは、ブランド商品が欲しいのだよ。(ユーゴの無印ビール、コーラにはマイッタ!)
㉒あこがれの国境の町。(なんと魅惑的な響きだ。)労働帰りの兵士達を写して、警察で一時間遊ばれてしまう。)
㉓ソフィアの親娘。(ブルガリアにて)ホテル・バルカンの結婚式。無銭旅行。
㉔オリエント急行。イスタンブールの雑踏を泳いで、ホッ!と人間を感じて嬉しくなった。(トルコ人は日本人が好き・・・)
㉕東洋と西洋のホンマモンの接点。イスタンブール・・・と、!$の美女。
- トルコ~ギリシャ~イスラエル。(1972年)
- イスタンブールは、モロ、旅情をさそう町。
- ガラタ橋暮景、を肴に飲むビールは、ヨーロッパとアジアを併せ飲む豪快さ!!
- ホメロスの詩、トロイ戦争の遺跡。(トロヤは、なんのことはない、小さな遺跡。ヘレナが食べたか?貝殻をコレクションする。)
- イズミールの港まで、二人のドイツ青年と珍道中。
- エーゲ海に服のまま飛び込む!(一生忘れない気持ち)
- 鏡のように静かなエーゲ海?ト~ンデモない!大シケの大荒れ。海のモクズになりそう!
㉖地獄から天国へ・・・真っ白い島、ミコノスで。
- パラダイスビーチで相撲大会。(17勝15敗)
㉗もう、なーんにも恐いもの無くなった・・・(パルテノン神殿でのファイト)
㉘ギリシャをキックオフして、イスラエルに飛ぶ。
㉙イスラエル
- 正ちゃん、A氏、そしてエルサレムのKM氏。
- イスラエル側から見た、アラブ側から見た。(岡本公三、乱射事件、そして日本人感。)
- イスラエル軍占領地区、ウエストバンク。友人キャメルの結婚式。花嫁は、ナント、15才・・
- パレスチナの問題は泥沼だ。(エルサレムで考えさせられたこと。)
- メサダ、死海の畔で・・・・「
- 「アラビアのロレンス」に釣られて、アカバ湾を実に行く。
- 熱風!日本人ビレッジ。(ビン詰めサソリが彼等のペット。)
- イスラエルで使った金は、一人旅の交通費だけ・・・
- 元パレスチナPLOの拠点、ガザにて捕まる。アラブの兵隊みたいな姿をしてれば当然だね(笑)
『中近東、シルクロード』
①イスタンブールからシルクロード行。
②オリエント急行、イスタンブールからテヘラン、3泊4日の旅。平均時速は50㎞。(これでもリッパな国際特急なのだ。)
③パーレビ時代のイラン、ホメイニ以後のイラン。
④アフガニスタン砂漠のオアシス(駅)にて小便。サラセンの∞の意味を悟る。(砂漠の夜は静寂が支配。小便の音に、自分の生を感じる。)
⑤日本男子、ナンシー、ポーラをエスコート。
⑥背中の日の丸。(旅をしてると、しょってる日の丸の重さに泣かされる。)
- バーミヤンの遺跡で2度の戦い。(運良く切り抜けたけど、袋だたきに合ってる日本青年も多いと聞く。くわばら、くわばら~)
- 背中で日の丸泣かせる訳にはいかないもん、理屈じゃないんだ、ヤルっきゃない!
⑦バンデアミール
- カイバル峠でポーラのヒザに頭を預ける。暖かく、柔らかく。(それまでの疲れがス~ッ!と抜けていった。)
- 男に対する女・・・吸い取り紙のような穏やかさに感動。(女、女、女・・・よく解らないけど女)
『インド』
①列車にて、パキスタンを抜け、ラホールからインドに入る。
- デリーが近づくにつれ、ダニに食われた体を掻きながら、流れ行くインド人の生活、風景に独特のカルチャーショックを受ける。心は、重くなり、静かに、深く、石のように無感動になっていった・・・・・
- デリーの安宿にて・・・友人達(ジャンキーの話。列車のハリで首をつったヒッピーの話、などなど。)
②ま~ったく、インドは想像をはるかに超えて強烈だ!(ファッション感覚でインド旅行なんて、冗談じゃない!カルチャーショックで立ち直れなくなるほど危険な国だ!!ぜ。
- アグラ(タジマハール)、カジュラホ(エロス寺)。掛けてる眼鏡を盗られた・・・笑い話
- ベナレス、母なるガンガ。悠久の時の流れ。
- バーニングプレイス、「肉体は、物体である。」・・・人間、生ある時は、精心と肉体で構成。
- ベナレスにて、倒れる。(急性肝炎を発病、5日間、飲まず食わず。)地を這うようにしてカトマンズに着く。
- ドクターーストップ。(カトマンズ在住、岩間ドクターと出会い、帰国を命ぜられる。)
『カトマンズ→バンコック→東京』 1973年12月
①カトマンズより空路帰国を宣告され、旅行社でチケットを手にしたあと、力車の上で泣く。(泣けて、涙が止まらなくなって・・・)
②バンコックでストップオーバー。空港近く、ホテルに来た、US10$の少女・・・
③帰国。
- しばらくぶりに見る日本の第一印象。なんて車は静かに走り、安全な感じのする国なんだろう!
- 老いた母の健在な姿を見て、感謝の気持ちでいっぱいになる。
- 母の後日談・・・帰国したときは、出た時の二回りも小さく見えたという。しかも、12月だというのに、ランニングにゴムぞうりだった。(栄養失調と肝炎で食べられなかったのだもの。きっと、苦労したのでしょう。
- こうして、第一回目の写真武者修行の旅は終わった。1971年10月~1973年12月30日。正味、2年2カ月で51カ国に旅す。
『その後、~1986年まで』 (78カ国)
- 1975年5月~8月。 東南アジア。タイ、マレーシア、インドネシア。(タイ北部、ゴールデン・トライアングル。インドネシア、バリ島など。)
- 1975年9月~10月。USA、ペルー、南太平洋(タヒチ、ボラボラ島)、イースター島、ガラパゴス島など、取材。
- 1977年6月。グァム島、サイパン島、船の旅、取材。
- 1981年10月~12月。メキシコ、USA、ハワイ取材。
- 1983年12月。香港より、フィリピン海、船の旅、取材。
- 1984年2月~4月。アラスカ、北米、ハワイ、取材。
- 1984年6月。ギリシャ、エーゲ海クルーズ、取材。
- 1984年10月。シンガポール、ペナン島、取材。
- 1984年ハワイ、取材。
- 1985年ハワイ。
- 1985年5月~7月。ヨーロッパ、トルコ(カッパドキア)ポルトガル(壇一雄の足跡)取材
- 1985年。インドネシア。
- 1986年。3月~4月。ニュージーランド(ハーレー彗星)取材。
- 1986年7月~8月。ヨーロッパ周遊。