写真展『PEOPLE』も余すところ、2日。
昨日は写真展は休館だったが、
朝からドローンでの撮影があったため、休息という訳にはいかなかった。
幸いムービーでの撮影は良い仕上がりで、なかなか面白かった。

写真展の展示作品は1983年に自費刊行した写真集『人々』に収録の82点から52点、
未収録ながら、好きな写真11点を加えて、全63点。
写真集の方にも、未収録の方にも展示を見送るのに涙を呑む作品が多かったが、
会場スペースにも都合があるので、やむをえない。
心配したオープニングパーティーも50人程の方々で、盛況でした。

写真集未収録で、今回展示したもの
展示写真は、全て35㎜モノクロで撮影されたスナップで、
本人によってノートリミングで、42〜34年前にプリントされたオリジナルだが、

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この写真に私が惹かれるのは、
この光と影の織りなす、あたかもセッティングされたかのような画面である。
画面左から射し込む光から想像するに、シュチュエーションは、
道路から一段下がった安酒場であって、〔道路はゆるい坂道であって欲しい、、、笑〕
最近イイコトがなくて、チョッと人生にお疲れの男が、
遅い午後の、気だるい陽だまりの中で、うなだれて微睡んでいる。
ドアのガラスには、剥がれかけたTOTO宝クジのポスターが貼られているのである。
なんか、「人生」っていう感じ
光と影が素晴らしい。
レンブラントとか、フェルメールが大好きだった宝田らしいショットである。

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窓越しの祈る老女。
窓の奥で微笑む老女を見つけたのであろう。
ガラス窓越しだったかも知れず 、白いカーテンが前面にある為
老女は当然、アンダーになったであろう。
微笑む美しい表情を立ち上げる苦心がしのばれる。
本人がいないので、確かめようも無いが
行ったところの中では、
フランスのルルドとか、エルサレムだったらキャプションとしてはど真ん中だが(笑)
もはや 何処でも良い祈りの姿である。

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子供達のコーナーで、写真集『人々』のフランスの子供達の四つ切りサイズが見つからず
半切のポートフォリオの中から展示した内の一点。
子供達の様子や、路地の感じから推測するとパナマ辺りの気がするが、
特定できないので、南米という事で。
子供達の表情は活き活きと明るいが、考えようによってはキケンな状況かも。

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これも同じく南米。おそらくリオ(ブラジル)のファベーラであろうと思われる。

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双子を乗せた乳母車と、母親の表情が輝いているので選びました。1983年 の写真展で展示されたらしく、見たことがある、という旧知の方が数人いらっしゃいました。